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院長日記&お知らせ

カンボジアでボランティア

ボランティアでカンボジアのプティサストラ大学ということで矯正に関する講義を行うために、今週の月曜からプノンペンに行って参りました。
この時期のプノンペンは雨期なので、スコールのような激しい雨が降るのかと思いきや、ほぼ日本の梅雨空と同じような感じでした。
プノンペンでボランティアの手配をして下さっている方々にお聞きしたところ、今年の雨期は例外のようで、通常はスコールのような雨が降るらしいです。気温も25℃を下回るくらいで、蒸し蒸ししてましたが思ったよりは過ごしやすかったです。地元の人には寒いと感じる気温らしく、とにかくカンボジアらしくない気候でした。

今回のボランティアでは矯正治療についての講義をお願いされたのですが、もともとは直接矯正治療を行っている患者様の診療を指導するつもりでした。
直前になって診療する患者様がいないので講義をして欲しいということになり、それなら何を教えて欲しいのか確認すると、何でも良いと・・・。
”何でも良い”ってなかなか難しいですよね、相手が何を知っていて何を知らないのかを分からない状況では、私も何を話して良いのか分かりませんし。
とにかく好きなことを1時間程度話して欲しいというので、とりあえず今までいろいろな場所で話した内容を初歩的な内容にアレンジしてスライドを作成して挑むことに。
先方は気楽にやってくれと言うのですが、そうはいっても適当に準備する訳にもいきませんよね、なんだかんだと2週間近くかかりっきりになってしまいました。

プノンペンには講義の前日の晩に到着し、食事をしながらミーティングをしてみると私も一般診療の指導をすることになっているじゃありませんか・・。
なんの自慢にもなりませんが、私は大学を卒業して以来、矯正一本で進んで来ましたので、一般診療では、新しい治療に関する知識もなければ技術も学生時代から進歩しているとは思えません。
それでも、ぼーっとしている訳にもいかないので2日間のボランティアの期間中、講義を行った時間を除いて、他の時間は口腔内診査やむし歯の処置の指導をしてきました。


多分、私の同級生なんかは”久保田がむし歯の治療〜??”って感じだと思うのですが(私も同感です)、いざ指導を始めてみると、こりゃあかんと私が見ても思うこととオンパレードでして・・。

なぜ、私が教えなければならないほど初歩的なことも学生が知らないのか、そもそも何でも良いから教えてくれとか、どうしてそこまで適当なのか、これはひょっとして大学側は面倒なので適当に終わらせようとしているのかとか、いろいろと考えましたが、数時間経過して気がつきました。
要するに、誰も教える人がいないから学生達は自分で教科書に書いてあることから考えるか、適当にやるかそれしか選択肢がないのです。
カンボジアにたった3校しかない歯学部なのに、フルタイムの教員は数名で残りはパートタイムです。大学病院で指導するドクターが一人とか二人とかそんな感じでとてもじゃないですが指導が行き届かないのです。
そうなると学生は隣の同級生がやっているのをまねするとか、何となくでやるとか、そういう手段しかなくなる訳です。

正しい治療を真似るならまだしも、隣の学生の治療自体が怪しいだけに、この方法だと一人前になるには壮大な時間を要します。
それを考えたら一般診療はほぼ素人の私でも少しは役立つし、矯正専門の話であればとにかく何でも良いので聞きたいということになるようです。

ずっとその環境で育ってきたカンボジアの学生は何も不自由は感じないし、もちろん何ら不満はないようですが、子供の頃から手取り足取り教えてもらうことが当たり前だった日本人感覚からすると、この教育で果たして大丈夫なのかとなるわけです。
とにかく自分の受けてきた教育が当たり前だと思っていた私にとって、日本のありがたさと裕福さを認識するよい機会になりました。

肝心の私の講義ですが、これまた強制参加なんてシステムはカンボジアには存在しないため、矯正治療に興味がある学生だけが聞きに来てくれました。
あの環境でも意識が高い学生はもちろん存在していて、参加してくれた学生は熱心に話を聞きノートまで取っていました。
写真の学生は私のつたない英語をクメール語(カンボジアの言語)に翻訳してくれた二人です。
二人とも語学に堪能で勉強熱心だし、いつの日か立派な歯科医になるのだろうと思います。
他の学生からも講義の後でSNSを通じて感想を頂いたり、私自身もいろいろと勉強になり考えさせられる数日間でした。

これから続けられる範囲でボランティアを続けられると良いなと思います。