Dr.ブログ

矯正治療の治療ゴール

矯正治療の相談に、私の医院にも多くの患者さんが来てくださいます。
矯正治療について初めて話しをお聞きになる方も多く、矯正治療はまだまだ正しく情報が伝わっていないと感じる今日この頃です。
今回は矯正治療の話しを書いてみようと思います。

タイトルにもある“治療ゴール”ですが、矯正治療を開始するに当たって、とても大切な考え方のひとつです。
歯並びの相談に来られた患者さんは、大抵の場合、歯並びの凸凹が気になる、出っ歯が気になる、隙間がきになる、など歯並びについて気にされて来られることが多いです。
矯正治療では単に凸凹を治すとか隙間を閉じるとか、歯並びをキレイに並べれば良いものではありません。
私たち矯正歯科医が目指すのは、お顔の外見と調和の取れ、食べ物を咬む機能に問題のない位置に歯並びを作り上げることです。

この説明では分かりにくいかもしれませんので、簡単な例を挙げることにします。
お顔の横顔で口元の突出感があって、なおかつ歯並びには凸凹がある患者さんが相談に来られたとします。
大抵の場合、このようなケースで矯正治療の相談に来られると、歯の凸凹をどうにかしたいと仰ることが多いように思います。
矯正歯科医にとって歯並びの凸凹をとるのは、それほど難しいことではありません。
むしろ突出している口元をどのように改善するかということが大切で、どの位置に前歯が来ると横顔が美しくなるかということを含めて治療を考えます。
“矯正治療のゴール”とは、このように歯並びが単にキレイに並ぶだけではなく、お顔の外見がより美しくなる位置に歯並びを並べることです。

治療のゴールには、見た目の美しさという個人的に感覚の差がある要因が含まれていますので、一概に私たち矯正歯科医が理想的と考えるゴールが、必ずしも患者さんの美的感覚に一致するとは限りません。
ですから、矯正治療を始める場合には、美的感覚のことも含めて歯科医師と患者さんがよく話し合って治療ゴールを設定することが大切だと私は考えています。

治療が実際に始まるまでに、矯正の相談、検査、検査後の説明と多少時間が掛かるため、面倒だと思われる方もいらっしゃるかもしれないですが、これはより良い結果を得るためには重要な行程であることを理解していただけると有り難いです。

院長 久保田 衛

  • 医療法人プライムオルソ 理事長
  • 日本矯正歯科学会 認定医
  • インビザライン公認クリニカルスピーカー
  • カンボジアプティサストラ大学臨床教授

医療法人プライムオルソ くぼた矯正歯科クリニック

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